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宝石のような裂たち

更新、少し時間が空いてしまいました。
新年度、家族にも変化があり
私も、母、嫁、娘などいろいろな立場で
ちょとバタバタしておりました・・・

さて、先日久しぶりにOPAM(大分県立美術館)へ足を運びました。
宝石のような裂たち_e0292988_17133032.jpg
現在、北大路魯山人の企画展と
コレクション展「響きあう色彩」を開催中。

まず魯山人展。
それはそれは風流なしつらえで
陶芸、書、を中心にその世界観を堪能できます。
本や映像などで触れて
既視感がある物も多かったのですが
やはり間近で見ると違います。
「うーん」と唸りながら見入ってしまいました。
宝石のような裂たち_e0292988_17173965.jpg
大分手織り物語的には(笑)
小さな酒杯20個ほどが
一つ一つ美しい小袋に入れられている展示に
目が奪われました。

もしかして?と思いキャプションを見ると
やはり 志村ふくみさんの裂で作られた袋でした。
この魯山人展を監修している京都何必館の依頼で
志村さんが制作されたものだと思います。

裂の袋は
杯を入れることで立体になり
可愛らしいオブジェのようでした。


続いてコレクション展「響きあう色彩」へ
OPAMの収蔵品を 色彩を切り口に展示しています。
宝石のような裂たち_e0292988_17154949.jpg
こちらはチラシなどで紹介されていたので
最初から目的は 志村ふくみ《裂の筥(裂50趣)》。
宝石のような裂たち_e0292988_17153130.jpg
ひときわ照明を抑えた部屋に
志村さんの裂は置かれていました。
硝子ケースごしですが 一枚一枚じっくりみることができます。

着物としてみる時とは違い、
鑑賞者は糸使い一本一本に
意識を注ぐことができるように思いました。
それぞれにタイトルもあり、大変興味深く拝見しました。

残念ながら 50枚一挙に展示されてはいません。
コレクション展開催中に入れ替えをするのかもしれませんね。

帰宅後久しぶりに
書棚から志村さんの「小裂帖」を出して開きました。
2007年に筑摩書房から出版されたものです。
宝石のような裂たち_e0292988_17162692.jpg
色の系統ごとに分けて
各ページ、裂の写真がちりばめられています。
実物にはかないませんが
印刷が良く、美しい本です。

巻末の文章の中に
志村さんが書かれた「裂によせて」という詩があり、
こんな言葉からはじまります。
宝石のような裂たち_e0292988_17165145.jpg
「なぜ、ひとは
 ガラス絵や、貝殻や、玉(ぎょく)をみるように
 織物をみようとしないのだろう」

材料、機仕掛けなどの縛りから織物を解き放ち
例えば宝石のように裂を慈しみたい。
そんな、志村さんの思いの溢れた素敵な詩です。

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by teorimonogatari | 2017-04-26 17:21 | 感想雑記 | Trackback | Comments(0)

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